文学徒が競プロをするブログ

競技プログラミングの精進を記録していきます

ABC163E Active Infants

引っ越しで忙しかったので4日ぶりの精進。

以前解説ACしたが、全く理解をものにできていなかったので再度解いてアウトプットする。

問題概要

 N人の幼児が左右一列に並んでおり、左から  i番目の幼児の活発度は A_iです。

あなたは一回だけ、幼児たちを好きな順番に並び替えさせることができます。

はじめ左から  x番目に並んでいた幼児が左から  y番目に移動するとき、うれしさが A_x \times |x−y|だけ生じます。

幼児のうれしさの合計が最大でいくつになるか求めてください。

各要素がそれぞれ重みづけされており、それらを並べ替えると各要素について移動させた距離 × 重み だけコストがかかる。コストを最大化せよ

という問題。

解法

まず典型として、絶対値を見たら二つの式に分解してmaxを取るというものがありますね。45度回転とかでもたまに見るようなやつ。

つまり | x - y | max(| x - y |, | y - x | )と変形してやります。

これは手間がかからないのでとりあえず機械的にやって、頭の片隅に置いておけばいいかな。

その上で問題について考えると、直感的に大きい方から優先的に動かしてあげると良さそうだなあとなります。
思考の根拠としては重みの大きい要素を長い距離動かすほどお得なわけで、重い要素から自由度を与えてあげたくなるという感じ。

では貪欲に重い要素から端っこに置いていけばいいかとなると少し話は違うような気がして、
例えば一番重い要素が真ん中にあって、僅差で二番目に重い要素が一番右端にあった場合は、恐らく二番目に重い要素を左端に持って行った方が大きくコスト増やせる気がします。
一番重い要素は右端に持っていければ最適っぽいですが......それをいちいち判断するのは難しそうです。

ただ、重い要素から、置ける範囲内で右端か左端に置いていく(両端から徐々に埋めていく)やり方で良さそうなお気持ちが生えてきます。

お気持ちベースで行動するのは怖いので、数式ベースで考えてみましょう。

並べ替えられた後の各項のindexを Pと置くと、総コスト Cは以下のように表すことが出来ます。

 C = \sum_{i=0}^{n}  A_i  \times max( i - P_i, P_i - i )

これを場合分けすると、

 if (i - P_i > 0)のとき

 C = \sum_{i=0}^{n} A_i \times (i - P_i)

そうでないとき

 C = \sum_{i=0}^{n} A_i \times (P_i - i)

となります。

これらの式  A_i \times (i - P_i), A_i \times (P_i - i) はどちらもただの掛け算なので、計算結果を最大化するためには、かける数とかけられる数の双方が最も大きくなくてはいけません。

 Aを大きい順に処理していくとすると、

 C = \sum_{i=0}^{n} A_i \times (i - P_i)

という式では P_iの小さい順に。

 C = \sum_{i=0}^{n} A_i \times (P_i - i)

という式では P_iの大きい順に処理していけば良いことが分かります。

これは、置ける範囲内で右端か左端に置いていく(両端から徐々に埋めていく)というのと同等の操作なので、この方針で良いことが証明できました。

右端に置くか左端に置くかなので、よくある二択のDPをすればいいことがわかります。

dp[右に置いた数][左に置いた数] = コストの最大値

というやり方で解けます。

以下コード

#include <bits/stdc++.h>
const int INF = 1e9;
const int MOD = 1e9+7;
const long long LINF = 1e18;
#define dump(x)  cout << 'x' << ' = ' << (x) << ` `;
#define FOR(i,a,b) for(ll i=(a);i<(b);++i)
#define rep(i,n) for(ll i=0;i<(n);++i)
#define REPR(i,n) for(ll i=n;i>=0;i--)
#define FOREACH(x,a) for(auto& (x) : (a) )
typedef long long ll;
using namespace std;
typedef pair<ll, ll> P;

template<typename T>
void print(const vector<T> &x) {
    int n = x.size();
    rep(i,n) {
        cout << x[i];
        if (i!=n-1) cout<<" ";
        else cout << endl;
    }
}

template<typename T>
void print(const vector<vector<T>> &x) {
    int n = x.size();
    rep(i,n) {
        rep(j,x[i].size()) {
            cout << x[i][j] << " ";
        }
        cout << endl;
    }
}

template<typename T>
void print(const vector<T> &x, int n) {
    rep(i,n) {
        cout << x[i];
        if (i!=n-1) cout<<" ";
        else cout << endl;
    }
}

template<typename T>
void print(const vector<vector<T>> &x, int n, int m) {
    rep(i,n) {
        rep(j,m) {
            cout << x[i][j] << " ";
        }
        cout << endl;
    }
}

template<class T> inline bool chmax(T& a, T b) { if (a < b) { a = b; return 1; } return 0; }
template<class T> inline bool chmin(T& a, T b) { if (a > b) { a = b; return 1; } return 0; }

void input_init() {
    cin.tie(0); ios::sync_with_stdio(false);
}

int main(int argc, char const *argv[]) {
    int n; cin>>n;
    vector<P> a(n);
    rep(i,n) {
        cin>>a[i].first;
        a[i].second = i;
    }

    sort(a.begin(), a.end(), greater<>());
    vector<vector<ll>> dp(n+1, vector<ll>(n+1));

    rep(i,n) {
        rep(j,n) {
            if (i+j >= n) break;
            ll x = a[i+j].first;
            ll idx = a[i+j].second;

            // 左に置く
            ll lcost = x * (idx-i);
            chmax(dp[i+1][j], dp[i][j]+lcost);


            // 右に置く
            ll rcost = x * (n-j-1-idx);
            chmax(dp[i][j+1], dp[i][j]+rcost);
        }
    }

    ll ans = 0;
    rep(i,n) rep(j,n) if (i+j == n) chmax(ans, dp[i][j]);
    cout << ans << '\n';

    return 0;
}

得た知見・課題

  • とりあえず絶対値は数式をいじるうえで分解しておくと何かと都合がいいことが分かった。
  • お気持ち方針ではなく数式できっちり詰めることを習慣化していく。求めたい値を数式で表し、変形していきながら方針を探っていくことを意識する。